さるファンサイトの書き込みの傾向と分析

あるファンサイトの書き込みを見ていると、
ある種の傾向が感じられる。


一つ目は盲目的愛、
二つ目は親近的愛、
三つ目は単一的愛。


一つ目に関しては、
あまりよい表現ではないが、
信者的というか、
一種の信仰表明に見えるような
書き込みが散見できる。
対象の言葉は彼らの福音であり、
筆跡は彼らの聖書である。


二つ目に関しては、
盲目的ではあるが、
神の距離を持っていないということだ。
つまり、遠いが近いものとして捉えている。
一つ目で絶対者まで押し上げた崇拝の対象を、
崇拝する者自身に近づけるのだ。
これは、逆説的ではあるが、
一種の自己を高める作用が
あるのではないかと思われる。
悪く言えば、パラサイトしているわけだが、
本人たちの自覚は薄い。


三つ目に至ると、
崇拝の対象と崇拝する者の一対一の関係になっていて、
つまり、「セカイ系」(あまり使いたくない表現だが)
的な僕と君の世界だ。
こうなると、周りが見えないようになり、
往々にして嫉妬深くなる。
たとえば、崇拝対象を知る者が
対象を冗談の種にすると、
それに対して憤ったりする。
しかし、ここには、憤怒とともに、
嫉妬が隠れているのである。


これは感覚的には至近距離にあっても、
物理的な距離を思い出すからだ。
このため、作家同士のつきあいに関する記述に関して、
フリークス達は敏感に反応する。
内容が彼らの期待に沿うものであれば、
彼らは子供のように喜び、
反するようであれば、
途端に化学反応を起こす。
この手の記述はリップサービス的なものが多いのだろうが、
思わぬ反響を呼ぶことを銘記しておくべきだろう。