2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

暴力ゲーム規制

随分と前に、NHKのクローズアップ現代が、 「ゲームは子供に有害か?」(No.2150)という題で、 昨年6月に神奈川県がGTAⅢを有害図書に指定して、 販売規制に乗り出し、波紋を広げている問題に関して放送していた。 それに関する賞味期限の切れた考察…

乙一「愛すべき猿の日記」

出版されてから随分と時間が経ってしまいましたが、 『パピルス』創刊号に掲載された、 乙一著「愛すべき猿の日記」のレビュー。 なお、かなりネタバレを含みますので、 未読の方は読まないほうがいいと思います。 所詮、素人書評、批評に過ぎませんので。 …

ドラマ化するアニメ

かつて、映画監督の押井守は、 CGの登場により、実写とアニメは 融合して区別できなくなるという持論を展開していた。 彼は映像表現として、 アニメとCGの融合、 レンズの概念をアニメに取り入れるなどの、 実写的要素をアニメに導入した人物である。 彼…

永井荷風「妾宅」

近代化とはヨーロッパの強制の結果であり、 前近代の眠りを覚ましたのは黒船であった。 仮に黒船が来なかったのならば、 いまだに江戸時代が続いていても不思議ではない。 それほど「近代」という時代や精神は「特殊」な物なのである。 「普遍」や歴史法則と…

断腸亭主人

永井荷風という人は 反時代、反社会的に生きながら、 その事に自覚的な人なので、 その文章は実のところ、「情」より「理」が勝っている。 「理」の世界から逃避して、 「情」の世界に埋没しなかった人、 それが「近代人」荷風なのだと思う。 この辺が欧化主…

近代的自我と視点(人称)の問題

日本語の特徴に一人称の種類が多いということがある。 西洋語はおおむね一人称が 英語であれば「I」, ドイツ語であれば「Ich」 という具合に統一されているのだが、 日本語だと、 私、僕、我輩、小生、朕、余、我・・・・・・ などと無数に存在している。 隣…

人形についての断章

神はその似姿として人を作ったという。 それは土くれで出来た人形だった。 我らは自然より切り抜かれ、 魂を与えられた。 故に我らは生まれながらにして、 自然からは隔てられた存在である。 『ローゼンメイデン』というアニメがある。 生きた人形(アンティ…

『交響詩篇エウレカセブン』

今更だが、『エウレカ』についての断章。 どうも『ガンダム』の主要キャラと かぶるように思えてくる。 我が妄想は下記の通り。 ・ホランド=アムロ(青年期) ・デューイ=シャア ・ダイアン=ララァ ・タルホ=チェーンorベルトーチカ ・ドミニク=ハサウ…

2006年米アカデミー賞の感想

少々古い話題だが、 今年度のアカデミー賞について振り返る。 今年のアカデミー賞は例年に無く、 社会派の硬派な映画が多数ノミネート、受賞されていた。 作品賞の「クラッシュ」は、 いまだ米国において深刻な人種問題を。 ジョージ・クルーニーが助演男優…

種死考

主題性は言うまでも無く重要である。 それは明確に言葉で表されていなくても、 製作者は明確に意識していなければならない。 それは物語を通じて示されるものもあれば、 物語によって解き明かされるものもある。 主題は物語を媒介として掲示される以上、 物…

『ゴジラ FINAL WARS』

我輩は映画は好きだが、 もっぱらTVとビデオでばかり見ている。 映画館に積極的に通う 気力も無いし、財力も無い。 そういうわけで、 幼少の頃に見ていた『ゴジラ』が シリーズ最終を迎えた事も最近知った。 正確に言えば、地上波でTV放映されて気が付いた…

「昭和」ブーム

先日、知人のブログで、 『ALWAYS 三丁目の夕日』(小学館文庫)という {以下『ALWAYS』と略} 映画のノベライズが触れられていた。 氏によると(氏は書店員)、 氏がたまたまレジに立っていたときに、 『ALWAYS』が短い時間に立て続けに2冊売れ、 その本…

渡辺淳一『愛の流刑地』

先月の『ダ・ヴィンチ』の「ヒットの予感」に 『アイルケ』を発見。 ナベジュン大先生曰く、 男が感じるエロスの原点を描いたんです。男はね、きちっとした、それなりの躾を受けた女性が自分の愛で崩れていく過程に情をそそられる。男の伝統的なエロスは全世…

ブログ事始

アナログ人間ゆえに使いこなすまで 四苦八苦しそうと思っていましたが、 まさか最初の一歩を刻むのに 一週間以上もの時間が必要だとは思っていませんでした。 賞味期限の切れた流行語を用いるなら想定外です。 この致命的なアナログ人間振りは何時か直るので…