2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『国家の品格』の読者について

「諸君らはこんな物で満足できるのか?」 「こんな物を求めているのか?」 「一体どうありたいのか?」 「一体何がしたいのだ?」 我輩が何故ここまで激しく、偏執的までに 批判するのかと貴方は思うかもしれない。 無批判に受容してしまう人々に対して 我輩…

『国家の品格』の書評

小生はブログ中毒ではないので、 連日のアップに少々疲れてしまった。 今日は断章取義で楽をさせてもらいたい。 『国家の品格』を批判的な書評の内、 秀逸な物をいくつか紹介する。 興味深い意見も多く、 言及しながら批評する事も考えたが、 どうにもスタン…

藤原正彦『国家の品格』

前2本のエントリで大体、言いたい事は述べたので、 今日は補遺、補足的な内容を。 まず、前日のエントリは長文引用で筆を置いたので、 何かしら意見を挟んで置かないと収まりが悪そうだ。 第一の引用部は、 藤原正彦氏の根本的な思想課題の 認識不足に対す…

藤原正彦『国家の品格』

『国家の品格』を良書だと思った人々に対して、 どのように話せば分かって貰えるだろうか、 どれくらい言を尽くせば納得していただけるであろうか。 細かい誤りを指摘したとしても、 多くの人は見向きもしないでしょう。 何故なら彼らが受け入れたのは、 元…

藤原正彦『国家の品格』

藤原正彦氏の著作『国家の品格』がいまだに売れている。 批判するには時機を逸した感が拭えないが、 この際だから色々とまとめておこうと思う。 とりあえず本日は内容を含む、 基本的な誤りの批判。 本書の問題は偏りがあるだとか、右寄りだとか、 感情論だ…

哲学者の神話的伝説

我々が知っている哲学…… もっと卑俗的に言えば哲学史的“知識”の中には、 伝説的あるいは神話的なものが多々含まれている。 例えば、ソクラテス。 彼の有名な言葉、 「汝、汝自身を知れ」 「悪法も法である」 この二つともがどうやら事実誤認であるようだ。 …

表現における「生」と「死」の問題

「生」と「死」の概念は宗教的である事が多い。 神秘主義を殊更非難し、否定する訳ではないが、 誰も彼もがそれを信奉する訳にも行かないだろう。 第一、無神論者であろうが、狂信者であろうが、 神秘主義者であろうが、何時かは死ぬ。 否応無く生まれ、死ぬ…

さるファンサイトの書き込みの傾向と分析

あるファンサイトの書き込みを見ていると、 ある種の傾向が感じられる。 一つ目は盲目的愛、 二つ目は親近的愛、 三つ目は単一的愛。 一つ目に関しては、 あまりよい表現ではないが、 信者的というか、 一種の信仰表明に見えるような 書き込みが散見できる。…

F・ブローデル『物質文明・経済・資本主義 日常性の構造』

最近、フェルナン・ブローデルという フランスのアナール学派の中心的な歴史家の主著である 『物質文明・経済・資本主義 日常性の構造』を読みました。 多少オーバーに表現すれば、それは私の蒙を啓いてくれました。 特に感銘を受けた部分を要約すると以下の…

『Wikipedia』

ウィキペディアが本と言えるかどうかは不明だが、 ウィキペディアをレビューしてみる。 ネットの百科事典ウィキペディアは 実に便利で面白い読み物である。 トリヴィアルに面白いので、 毎日のように意味も無く調べ物をしたり、 新着記事のチェックに余念が…

クローズアップ現代「ブンガクに異変アリ!?(笑)〜台頭する若手作家たち〜」

随分前に、NHKのクローズアップ現代で、 若手作家ブームついての特集があった。 内容がなかなか興味深いものであったので、 その内容の備忘録を日記に残す。 No.2047 3月7日 月曜日 「ブンガクに異変アリ!?(笑)〜台頭する若手作家たち〜」 …

プロットについての私的覚書

「展開」と「構成」は作品において もっとも重要な要素の一つであるが、 その区別は少々曖昧であるように思われる。 思うに、「構成」とは、 見取り図であり、あるいは設計図であり、 また、骨組みでもある。 一方、「展開」とは、 工程図、あるいは作業手順…